ご報告

このたび12月13日に行われました「第14回現代音楽演奏コンクール“競楽ⅩⅣ”」本選会におきまして、入選並びに審査委員特別奨励賞を受賞いたしました。とても有難く思っております。
この舞台で素晴らしい演奏家の方々と共に演奏を出来たことは私たちにとってかけがえのない経験になりました。
コロナ禍という厳しい状況の中での出場でしたが、スタッフの皆様、実行委員会の皆様による徹底した対策をしていただき、安心して臨むことができました。この場をお借りして心より感謝申し上げます。
この経験を糧に、今後より一層精進して参りたいと思います。
心より御礼申し上げます。
 
 
Duo TOPOS
Mika Teranagane & Akihiro Takiyama
 
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今回はこっそり覗いていらっしゃる方のために(!)、そして本番を聴いて(見て)いただいた方のために少しだけ後日談と思いを綴ってみたいと思います。長いのでご興味ありましたら^^;
 
この度の本選ではWolfgang Rihmの「Klavierstück Nr. 3 für zwei Spieler op.8c」と渡辺俊哉先生の「透かし織り openwork for 4 hands」を演奏いたしました。
Rihmは判読困難な筆記体で書かれたドイツ語の解読と翻訳から始まりました(←休日返上で瀧山が担当)。そして道具を揃えいざ練習!…私たちにとっては未知の領域でした。ピアノを何十年も弾いていて、まさかマレットを持つことになろうとは(他にも色々道具がありましたが)。
合わせは真面目に(?)取り組んでおりましたが、時に涙腺崩壊して笑いが止まらなくなってしまうほどの状態になってしまい(あんな場所やこんな場所です)本番は大丈夫なのだろうか??と不安になってしまいましたが、不思議なもので、本番はスイッチが入っていたようで、二人とも始終真面目な顔で行っていました(そして後になって大御所の作曲家の先生たちの前で行っていたことに気がつき青ざめる二人…←今さら)。終わってみると、「もっとこうするんだったな…」など色々な思いがありますが、程よい緊張感のもと世界観に浸れたのかなと思います。
そしてもう一つ。この曲には途中「ピアノの中で激しく咳をする」という場面がありました。「この状況下でこの動作をすることはどうなのだろうか?録音ではなくステージの上で…」話し合いを重ねた末、「リアルな咳をすることで、不快感や恐怖感を与えてしまうのはこの曲の本意ではないのでは」という結論に至り、試行錯誤の上、本番ではあのような形でさせていただきました。願わくば、この状況が落ち着き、本来の形で思いっきり演奏することができましたら嬉しく思います(楽器持ち込みの可能性大ですが^^;)。
 
2曲目に弾かせていただいたのは、渡辺俊哉先生の「透かし織りopenwork for 4 hands」でした。この曲との出会いは4年前でした。当時、邦人作曲家の連弾作品を探していた私たちは沢山の作品を聴き、集めていたのですが、その時に一番心をつかまれた作品でありました。
今回、久しぶりに演奏させていただき、4年前とは感じ方が変わっていた(変わってきた)ことが印象的でした。やはり、完成するということはあるはずもなく、本当に沢山の可能性を秘めている…そんなことを改めて思いました。そこから、もっと深い思想に入っていきましたが…さらに長くなってしまいそうなので、ここでは割愛させていただきたいと思います。この曲に出会い、演奏をさせていただきましたことは、私たちにとって大変幸せなことでした。この場をお借りして心より御礼申し上げます。
 
決して若手とは言えない私たちですが、このことに甘んじず、また初心の心を忘れずに進んでまいりたいと思います。そして、微力ながらも少しでも現代音楽の魅力をお伝えできる存在になれたら、と思います。
 
本当にありがとうございました。
 
↑本番前はボサボサになった毛をカット。カットしすぎて一本ダメになってしまったものも…(練習の賜物?)

Duo TOPOS

𝑀𝑖𝑘𝑎 𝑇𝑒𝑟𝑎𝑛𝑎𝑔𝑎𝑛𝑒 & 𝐴𝑘𝑖ℎ𝑖𝑟𝑜 𝑇𝑎𝑘𝑖𝑦𝑎𝑚𝑎